タッチペンの種類と仕組みを解説!8つの静電容量式タッチペンを完全レビュー
2022/07/27 |Gechic 編集部
新しいテクノロジー製品が次々と発売されていますが、多くの電子機器にタッチパネルが使われるようになりました。指を使って思い通りの操作ができますが、文字や絵を描く場合は、指だとタッチペンによる細かな手書きに敵いません。ビジネスにおいては、電子署名、イラスト、デジタル手書きなど、タッチペンとタッチモニターを組み合わせることで、もう手放せない物になります。
世の中にタッチペンは色々とありますが、一体どれを選べばよいのでしょうか。今からタッチペンの仕組みと実際の使用レビューを読み、最適なペンを選ぶ参考にしてください。
*Wacomペンタブレットまたはその他のお絵かきタブレットについては、ここでは説明しません。
タッチペンの2大技術の仕組み
● 感圧式タッチペン(Resistive Stylus)
感圧式(抵抗膜方式)タッチモニターは、駐車場の決済タッチモニターのような屋外用機器、車載ナビ、産業用機器、従来型のPOSマシンによく見られます。感圧式タッチパネルは、圧力を感知するため、表面を軽くタッチしても反応しません。少し力を込めてモニターを押すことで、力が感知され反応します。そのため、どんな素材のタッチペンでも使用できますが、プラスチック製でペン先が尖っている製品がよく見られます。指に比べると接点がより小さく、選択したい場所を正確にタッチできます。
● 静電容量式タッチペン(Capacitive Stylus)
スマートフォンやタッチモニターなどの主な電子機器にはすべて静電容量式タッチ技術が使用され、使用する静電容量式タッチペンこそ今回の重要なポイントです。静電容量式タッチモニターのガラス面にはITO膜の層があり、縦横に交差したX、Y軸に電極間の容量が指やタッチペンによって変化し、タッチパネルの接触点にわずかな電流が発生します。モニターがX、Y軸に発生した変化を検出してタッチポイントを判断し、その位置にタッチ反応が生まれます。
1. パッシブタイプ(Passive Stylus)
パッシブペン(非能動式タッチペン)は、指の代わりにそのタッチ効果を真似します。電源不要で、ペン先の太い物が多いのですが、十分な静電検出ができます。この種類のタッチペンは無制限の互換性があり、静電容量式タッチモニターであればどの製品にも使用可能です。
2. アクティブタイプ(Active Stylus)
アクティブタッチペンは、ペンに電池とICチップが内蔵され電源が入ると能動的に特定の周波信号を発生させます。ペン先とタッチパネルとの接触面積は通常小さめです。
タッチモニター本体の感度、タッチペンの電磁波量、デバイスのOSにより、最適なモデルと種類が異なります。また、アクティブタッチペン以外はすべての静電容量式タッチモニターで使用できますが、多くのアクティブタッチペンは特定のタッチデバイス専用で設計されています。例えば、Apple PencilはiPadのみ、SamsungのS Penは指定のGalaxyタブレット/ノートPC/スマートフォンのみ(手書きペンが付属しないモデルは非対応)で使用可能で、また、Microsoft Surfaceシリーズについては Surface PenかAdonit Inkが使用できます。この専用アクティブタッチペンはペアリングかBluetooth接続をすることで、正確な筆跡の実現と誤差の軽減が可能になります。掌の接触防止、感知機能により、線の細さ太さも表現されるため、アナログの書き味により近づきます。
感圧式タッチペン | 静電容量式タッチペン | ||
パッシブタイプ | アクティブタイプ | ||
筆圧検知 | 押した画面の位置を電圧変化の測定によって検知する | 指をシミュレートし、タッチ位置の静電容量変化によって検知する | ペンの回路は、パネルに信号を送信し、タッチポイントの座標を検知する |
ペン先 | プラスチック(導電体不要) | シリコンゴム、繊維、透明ディスク | ポリアセタール、銅、アルミニウム合金 |
バッテリー | – | – | 必要 |
価格 | 安価 | 適価~高価 | 高価 |
互換性 | 感圧式タッチパネルに対応 | 様々な静電容量式タッチパネルに対応 | 互換性の確認が必要 |
精度 | – | 普通~高い | より高い |
静電容量式タッチパネルで使用するタッチペンの選択方法
スマートフォン、タブレットPCなどのデバイスでは、メーカー指定のアクティブタッチペンを選ぶのが第1の選択肢であることは間違いありません!ただし、専用のアクティブタッチペンの価格を考えると、ただの簡単なタッチ操作や手書きだけであれば、パッシブタッチペンでも指の代わりとしてApple iPad、Surface Proなどの静電容量式タッチモニターデバイスでも十分に使用できます。
通常、外付けの静電容量式タッチモニターは、パッシブタッチペンまたはその他専用ではないアクティブタッチペンも使用できます。GeChicの投影型静電容量式タッチモニターを例に挙げると、WindowsのPCに接続したときに、タッチペンで署名、簡単な手書き、タップ、操作ができます。
選ぶ際の注意点:
1.パッシブタッチペン: ペン先に導電性のシリコンゴム、透明ディスクを使用する(直径>=6mm)
2.アクティブタッチペン: 十分なタッチインダクタンス
3.快適な握り心地
4.ペン先の素材は滑らかである耐久性にも優れている
5.精度
6.反応速度
8つの静電容量式タッチペンのテストレビュー
今回は、T1タッチモニターでWindows10のデフォルトソフトの「ペイント」を使ってテストをしました。様々な手書き・お絵かきソフトで機能の差があるため、同じタッチペンでも別のお絵かきソフトで使用するとまた違いが出ます!
1. シリコンゴム製タッチペン:シリコンゴム製はよく見られるタッチペンです。指の接触面積や柔らかな質感を真似しているため、割とスムーズに反応するという印象です。ただ、素材が薄めなので、耐久度的には一番すり減りやすそうです。
平均值: 5.25
2. ファイバー製パッシブタッチペン(GT-977):導電ファイバーは、よく見られて廉価なペン先です。接触面積は割と大き目で、材質もシリコンゴムよりも耐久性があるのですが、隙間に汚れやほこりがたまることがあります。
平均值: 4.8
3. ディスク型タッチペン:プラスチック製の小さな透明ディスクがペン先に附属しています。ディスクがモニターにぴったりと貼りつくので斜めになってもスムーズな書き味となり、パッシブペンの中では最高の使い心地です。
平均值: 7.55
4. PenPower PEN01A:このタイプのペン軸は太めでペン先の硬さは丁度よく、手の大きな方に好まれる握り具合です。反応の正確性は少し劣り、ペン先が斜めになると感度が悪くなり、ペン先とガラスの摩擦も大きく、反応のスムーズさも少し残念な点です。
平均值: 4.75
5. ADONIT DASH3 :ペン軸は少し細めで、細く硬めなペン先です。タッチの時の音が少し大きく、USBマグネット式充電スタンドが付属しています。
平均值: 7.15
6. ADONIT NEO DUO:DASH 3とよく似た製品ですが、筆軸が長くなり充電方法がUSB Type-Cケーブルに変更となりました。
平均值: 7.5
7. 銅製ペン先のアクティブスタイラスペン::市販のノンブランドタブレットPCのいずれでも使用可能です。ペン先が銅製で、タッチ操作時の音は8つの中で最も大きいのですが、手書きの質感は悪くありません。
平均值: 7.15
8. ダブルヘッドアクティブスタイラスペン:市販のノンブランド商品、Apple、android、Microsoftのいずれでも使用可能です。交換可能なペン先が付いていて、ペン先が傾斜しても正確な手書きができます。書き味も良好で、最高の評価となりました。
平均值: 7.9
タッチペンの最高の利用方法5点
以下、指の操作よりタッチペンを使うことで実用的になるシーンをご紹介します。
1. 電子ホワイトボードでの手書きシーン
今後の教育は、オンライン授業やリモート授業が増える傾向にあります。リモート授業では、先生が教室からオンラインで授業をしても板書が必要になります。Google Meetなどのビデオミーティングソフトを合わせれば、リモートでも板書が可能です。
2. プレゼンテーションシーン
会議でプレゼンを行う時、これからは前方のスクリーン前や会議テーブルの上でレーザーポイントを使ってモニターを指すだけというわけにはいきません。タッチペンを持ち、PowerPointでスライド資料を再生する時に「手書きとレーザーポインター」を併用すれば、内容を解説しながらスライドの重点を描き出し補足することができます。
3. 電子署名シーン
サービス申請時の書類への署名、顧客との文書確認、契約書への署名など、ペーパーレスが普及し、紙からタッチモニターへシフトすることで、閲覧に便利なだけでなく、すぐにオンラインで電子ファイルを送信することもできます。タッチペンでの手書き署名なら、指での署名に比べて筆跡の認識度が高まります。
4. POS機のメニュー注文シーン
小売業や飲食業では、決済時に商品に触れる、梱包をする、お釣りを渡すなどを行う必要があります。タッチペンを使ってモニターをタッチすることで、より正確で素早い選択ができます。同時に、水濡れや油汚れがモニターに付く心配もなく、タッチパネルを綺麗に保てるため、効果的かつ高感度なHMIの操作が可能になります。
5. 筆記シーン
デジタル筆記なら、タッチモニター上に直接ポイントの注記やマーキングができ、ページ数の制限もありません。様々な太さや色を選び、保存や起動も素早い、これらの便利な機能は、PDFや手書きソフトで活用できます。
良好なタッチペン使用習慣を作ろう
次に、モニターとタッチペンの耐久性がグッと上がる、「正しいタッチペン使用習慣」をいくつかご紹介します。
1. ペン先の損傷防止:プラスチックや金属製のペン先に欠けなどがあるとタッチモニターに傷が付きやすくなるため、すぐに交換する必要があります。また、ビジネスシーンや作業場所にペンスタンドやスパイラルコード(伸縮コイル)を設置すれば、ペンの落下や紛失防止にもなります。
2. 割れや欠けガラスにタッチしない:表面に割れや欠け、ひびの入ったタッチパネルで操作すると、間違った反応が見られたり使用できなくなったりすることがあります。
3. 軽く優しくタッチする:静電容量式モニターはとても高感度で、力強く操作する必要がありません。感度が悪くなったら、モニターのタッチ感度を調節し、厚みのあるガラスフィルムや保護フィルムを貼り付けないよう注意します。
4. タッチガラス表面とペン先を定期的に清潔にする:75%濃度のエタノールを柔らかく清潔な布に少量吹きつけて、タッチガラス表面とペン先の汚れを優しく拭き取ることで清潔を保つことができます。
よくある質問
1. Surface Pro/ Surface Bookで外付けモニターに接続する場合、Surface Penを使って外付けモニターに直接タッチして書き込むことはできますか?
いいえ、Surface PenはSurfaceシリーズのノートパソコンのタッチパネルのみと互換性があり、外付けモニターに接続する場合は、外付モニターに互換性のあるタッチペンを使用する必要があります。
2. USB-Cケーブルを使用してSamsungのスマホとGechicのM505シリーズのタッチモニターを接続する場合、モニター画面の上でS Penを使用することはできますか?
いいえ、PenはSamsung Galaxy専用で、タッチ機能はスマホの画面にのみ適用されます。
3. Apple PencilはGechicのタッチモニターで使用できますか
いいえ、Apple PencilはiPad専用で、タッチ機能は指定されたApple製品にのみ適用されます。 (Apple Pencil の互換性)