USB PD急速充電とは?USB-Cで外部ディスプレイからノートPCやスマホへ充電可能!
2023/09/01 |Gechic 編集部
デジタル製品の普及に伴い、仕事や娯楽の場面でこれらの製品の使用時間も長くなってきました。短時間での充電機能や、長いバッテリー持続時間を求めるようになっています。今回の記事では、スマートフォンやノートPCでよく使用される急速充電機能USB-PD(USB Power Delivery)についてご紹介します。USB-PDプロトコルによれば、最大100W以上の電力供給ができるし、より柔軟な伝送性能と充電速度を提供することができます。充電器だけでなく、外部ディスプレイやドッキングステーションなどもUSB PD対応のUSB Type-C端子を接続すると、さまざまなデバイスの充電ニーズに対応できます。
USB-PDのメリット
1. 様々な電力を満たす出力:
USB PDは、さまざまな電圧仕様に対応しており、デバイスの要求に合わせて10Wから100Wまでの電力を供給可能です。さらに、最新のPD 3.1では、大量の電力需要に応えて最大240Wの電力供給が可能です。規格を統一するため、PD 2.0、PD 3.0、PD 3.1のいずれもUSB Type-Cポートを使用して急速充電が行われます。
2. 動的電圧スケーリングによる充電効率向上:
PPS(プログラマブル・パワー・サプライ)は、PD 3.0から導入された技術で、高電圧低電流モードと低電圧大電流モードの両方の充電モードを統合しています。デバイスの充電状態に基づいて、充電器は「動的電圧スケーリング」で電力出力を調整し、充電効率を向上させ、温度を制御し、電池寿命を延ばすことが可能となります。現在、多くのAndroidスマートフォンモデルがPPS規格に対応しています。
USB PD急速充電技術は、QC(Quick Charge)の最新のQC 4.0、QC 4+急速充電技術とも互換性があります。
USB-PD給電の規格は何ですか?
USB PD 3.0/3.1:
電圧 | 電流範囲 | 電力範囲 | デバイス |
5V | 0.1~3.0A | 0.5-15W | イヤホン、小型USBデバイス |
9V | 1.67~3.0A | 15-27W | スマホ、カメラ、無人機 |
15V | 1.8~3.0A | 27-45W | タブレット、小型ノートPC |
20V | 2.25~3.0A 3.0~5.0A(定格ケーブルのみ) |
45-100W | 大型ノートPC、PCモニター、 ドッキングステーション |
28V | ≤ 5A | 100-140W | 携帯型デバイス IoT、スマートホーム 車、医療 |
36V | ≤ 5A | 140-180W | |
48V | ≤ 5A | 180-240W |
PPS(プログラマブル・パワー・サプライ)(PD 3.0以降のバージョン):
電圧 | 電圧範囲 | 電流(最大) | 電力 |
5V | 3.3~5.9V | 3A | <=15W |
9V | 3.3~11V | 3A | 15~27W |
15V | 3.3~16V | 3A | 27~45W |
20V | 3.3~21V | 3A/5A | 45~100W |
デバイスは急速充電に対応していますが、充電が遅いのはなぜですか?
USB-PDはUSB-Cコネクタにのみ対応しており、すべてのUSB Type-Cポートを備えたデバイスがPD急速充電規格に対応しているわけではありません。
急速充電を行うためには、充電に使う充電器、充電するデジタル機器、その2つを繋ぐケーブルの3点全てがUSB PDに対応した製品である必要があります。急速充電に対応したデバイスを使用する場合は、メーカーの認証を受けた充電器やケーブルを使用するか、規格と安全基準を満たした充電器や電源デバイスを選択することをおすすめします。これによって、効率的で安全な充電が行えます!
「全てPDに対応」している必要がある
充電器
充電するデバイス
USB-C ケーブル
USB PD充電器を備えた外部ディスプレイ、それを充電ステーションとして使用することは可能でしょうか?
「急速充電に対応」と宣伝されている多くのデジタル機器は、そのデバイスを「充電できる」ことを示しています。しかし、USB PD規格の充電器と回路設計を組み合わせることで、外部ディスプレイも電流を供給する「充電ステーション」として活用できます。。GeChicの21.5インチ 2101H、15.6インチ M152H のモバイルモニター、および15.6インチ M505I のタッチモニターは、「65W充電器」を備えています。
これらのディスプレイは、受信した急速充電電流をUSB Type-Cを介して、PD急速充電に対応するメインデバイスに供給できます。映像信号を出力しながら、ノートパソコンやスマートフォンを充電することも可能であり、まさに一石二鳥の利点です!
PD急速充電にするとどのくらい速くなるの?
USB PD充電器の特徴は、デバイスへの充電時に電圧と電流が可変することです。そのため、デバイスの使用状態や周囲の環境要因に応じて、充電が満充電に達するまでの時間が固定されていないことになります。例えば、Appleの純正USB PD充電器を使用してiPhoneを50%まで充電するのに約30分かかり、満充電に達するには約1時間以上かかることがあります。また、大容量のバッテリーを持つデバイスに関しては、以下の結果を示します。M152Hモバイルモニターを使用してMacBook ProとNintendo Switchの充電時間をバッテリー残量が0%の状態からフル充電までの時間を計測しました。
外部ディスプレイを使用した急速充電の速さの実測結果
▼ 15インチ MacBook Proの急速充電時間(バッテリー容量約7336mAh)
*純正87W充電器を使用して、約30分で50%近くまで充電が可能です。
▼ Nintendo Switchの急速充電時間(バッテリー容量約4310mAh)
*純正39W充電器を使用して、約3時間で満充電が可能です。
USB PDとQCの違いとは?
USB-PD | QC | |
電力 | 10-100W 最新バージョンでは最大240Wで出力できる |
10-27W 最新バージョンでは最大100Wで出力できる |
特徴 | 高電力容量、様々なデバイスに対応。大型デバイス向け | 小型デバイス向け 最新バージョンはPDプロトコルに対応 |
電圧 | 5V、9V、15V、20V、28V、36V、48V | 5V、9V、12V 3.3V-20V |
デバイス | iPhone 8/ X世代以降、Switchなど | LG、シャオミ、SONY、RAZEなどのスマホ |
充電中に使用するのは安全ですか?
充電中に使用することの安全性や実行可能性は、急速充電とは直接関係ありません。純正の充電器やMFI認証を受けたケーブルを使用することはもちろん、充電中に最も注意が必要なのは「温度」です。十分な冷却ができていない場合、バッテリーやデバイスに損害を与える可能性があります。
1. 信頼性、安全かつ保証のある充電器や充電スタンドを選びます。
2. 高温や湿度の高い場所での充電を避け、室温が摂氏35度以下であることがおすすめです。
3. デバイスや充電器の冷却に気を付け、周囲に適切な空気循環を確保します。
良い充電習慣を身につけることが必要です。極端にバッテリー残量が少なくなっていないか確認し、可能な限り、 30~40%以上の状態で充電することを心がけましょう。また、充電する環境の温度にも注意してください。外部ディスプレイを使用する際には、USB PD充電器を接続するだけで、メインデバイスと外部ディスプレイのバッテリー持続時間を一日中保つことができます!